技師長の一言


リハビリ科技師長 平山 史朗

《リハビリテーション科体制について》

リハビリテーション対象の患者様に対して以下の班を作り各部門と連携しながらリハビリ治療を実施しています。
(PT:理学療法士、OT:作業療法士、ST:言語聴覚士)
 ①整形外科班(PT、OT)
 ②中枢疾患班(PT、OT、ST)
 ③呼吸器科班(PT、OT)
 ④がんリハビリテーション班(PT、OT)
 ⑤回復期リハビリテーション病棟班(PT、OT、ST)
 ⑥地域包括病棟班(PT、OT)
 ⑦デイケア班(PT、OT)

このリハビリの部屋は、大牟田天領病院リハビリテーション科における以下の内容を紹介、掲載しています。
(Ⅰ)各部門の現況や取り組みについて紹介しています。
(Ⅱ)各種学会での研究発表、講習会や研究会などの催しの紹介なども掲載しています。
(Ⅲ)脳卒中の下肢装具の選定方法の紹介を掲載しています。

報告

◆中枢班

中枢班は、PT5名、OT5名、ST3名が在籍しております。脳血管疾患リハビリテーションの施設基準Ⅰを取得しており、主に脳血管障害や神経難病、頸椎症等の患者さんの身体機能の回復、日常生活の改善、自宅復帰、社会復帰を目指したリハビリテーションを行っています。
 当院は、高齢化率が34.6%(H28.9.1日現在)と非常に高い地域に立地しているため、様々な既往や合併症を有する患者さんを対象としたリハビリテーションを実施する機会が多いのが特徴です。そのため、毎週1回、回診やカンファレンスに参加し、患者さんの目標設定や方針、身体機能や日常生活の能力、病態・病状の把握等の情報共有し、多職種と連携したリハビリテーションの提供を行っております。また、毎週1回、糖尿病教室を実施しており、患者教育・指導にも力を入れております。
 実際のリハビリテーションは、装具療法やCI療法、神経筋促通法など、患者さんごとに合った内容を提供しております。

◆新人社員を迎えるにあたって

今春より3名の新人療法士を迎えることになりました。当科では新人教育プログラムとして整形・呼吸器分野、中枢・外科分野、回復期リハ分野、生活期リハ分野(デイケア)の4つの分野を約3か月周期でローテーションしてもらうようにしています。もちろん、分野ごとにプリセプターをつけて指導にあたってもらいます。急性期から生活期までの一連を経験してもらうこと、多くの疾患に接してもらうことで多重課題への適応力及び総合力を養って高齢化社会に対しての備えになればと考えています。

◆平成28年度第2回筑後地区がんリハビリテーション研修に参加して

◆整形外科・呼吸器科班の紹介

当班は理学療法士10名、作業療法士4名より構成され、整形外科、呼吸器内科及び呼吸器外科の外来、入院患者さんのリハビリテーションに従事しています。近年増加傾向にある変形性関節症に対する観血的治療についてはクリニカルパスを導入して後療法の標準化と早期回復に努めています。また、当院の地域は日本の中でも高齢化が進行しています。高齢者に多い大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫骨折及び誤嚥性肺炎については可及的早期に理学療法士と作業療法士が協力して安全に廃用防止、離床及び機能回復に努めています。当班には当院の褥瘡委員会の委員2名とRCT委員会(人工呼吸器ケアチーム)の委員と関連スタッフ4名が配属されています。機能回復のみではなく、入院による臥床時間の延長や生活環境の変化により懸念される褥瘡や肺炎発症においても病棟スタッフと協力して予防にあたっています。 

◆平成28年度 第2回 筑後地区がんのリハビリテーション研修に参加して

 平成28年12月17、18日の2日間で久留米大学病院にて行われました。参加施設が15~20施設程あり1施設より医師、看護師、リハスタッフとチームでの参加となりました。内容はグループワーク、ディスカッションを中心とし、がんリハの概要から各分野におけるがんリハの役割について幅広い内容でした。初日のグループワークでは、各施設に分かれて模擬症例を通してカンファレンスを行い問題点の抽出、目標設定、改善策の立案を行い発表し考えを深めることができました。
 2日目には各職種別に分かれてのグループディスカッションが行われ、がんリハの内容に限らず、日頃の診療の事や職種間での仕事上の問題や悩みなど話し合える機会があり吸収することも多く、今後の診療の糧になったと思います。
 研修で学んだ事を活かして効果的なリハが提供できる様研鑽していきたいと思います。

◆第14回社会保険大牟田天領病院内学術集会にて

「リハビリにおける地域包括の現状と課題」という題で発表をしました理学療法士の山田博文です。2014年に5病棟、翌年に南3病棟が地域包括ケア病棟として立ち上げられ、現在までの患者やリハビリ状況などを全国平均と比較しながら、当院の現状を分析しました。それを元に、地域包括ケア病棟から出来ることを始めて、地域に根ざしたリハビリを目指していきたいです。。

発表・参加

1) 山田博文ほか:リハビリにおける地域包括ケア病棟の現状と課題 大牟田天領病院院内学術集会
(平成28年11月 院内 発表)

2)今村健二:本院ホームページに「リハビリの部屋コーナー」新設の試み 大牟田天領病院リハビリテーション科PT・OT・ST合同勉強会
(平成28年11月 院内 発表)

3)宮本真理:障害者手帳を利用しての車椅子取得について 大牟田天領病院リハビリテーション科PT・OT・ST合同勉強会
(平成28年11月 院内 発表)

4)林知徳:ミトコンドリア脳筋症の一症 大牟田天領病院リハビリテーション科PT・OT・ST合同勉強会
(平成28年11月 院内 発表)

5)木村美鈴:VFを実施した患者の症例報告 大牟田天領病院リハビリテーション科PT・OT・ST合同勉強会
(平成28年11月 院内 発表)

6)松井隆太ほか:当院における人工呼吸器関連肺炎(VAP)予防の啓発活動の取り組み 九州理学療法士・作業療法士合同学会
(平成28年 11月 鹿児島県 発表)

7)黒川奈美子ほか:脊椎圧迫骨折患者における早期の仮コルセット硬化の予防について 九州理学療法士・作業療法士合同学会
(平成28年 11月 鹿児島県 発表)