呼吸器外科

当院呼吸器外科は、肺がん・転移性肺腫瘍などの胸部悪性腫瘍をはじめ、縦隔腫瘍、自然気胸等の疾患をとりあつかっています。肺がんはがん死亡率の一位をしめる疾患となっていますが、肺がんにおいて、標準と呼ばれる術式は、肺葉切除と所属リンパ節(肺門および縦隔リンパ節)郭清です。これまでは、背中から約25cm の皮膚および胸壁の筋肉を切って開胸する“後側方切開”が一般的でしたが、最近では胸腔鏡補助下に手術を行うことで、背中のきずの大きさを約7~8cmに短縮、胸壁の筋肉を温存することができるようになりました。この小さい開胸は、疼痛が少なく、回復も早いといわれています。当科でも積極的にこの術式を選択しています。

肺がんを代表とする胸部悪性腫瘍では手術だけにとどまらず、化学療法(抗がん剤療法)を含めた集学的治療が求められます。そのため、抗がん剤を専門にとりあつかう薬物療法指導医のひとりとして、地域のがん薬物療法の指導的役割を果たしていく使命があると自覚し、診療にあたりたいと考えています。

医療の地域格差が生じないように、日々研鑚を怠らずに診療に従事していますので、患者さんには安心して治療を受けていただきたいと思います。

主な疾患と治療法

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疾患名 症 状 検 査 治 療
原発性肺がん 胸部レントゲン異常影、咳、血痰、胸痛 胸部レントゲン、胸部CT、気管支鏡検査、脳MRI、PET検査、肺機能検査、術前心機能評価 臨床病期IA期、IB期、IIA期、IIB期、IIIA期の一部が対象となります。局所進行症例では、術前に化学放射線療法を施行したり、術後に補助化学療法を施行する場合があります。
転移性肺腫瘍 胸部レントゲン異常影、咳、血痰、胸痛 胸部レントゲン、胸部CT、PET検査、肺機能検査、術前心機能評価 頭頸部がん、食道がん、胃がん、大腸・直腸がん、肝臓がん、 膵臓がん、乳がん、甲状腺がん、前立腺がん、腎がん、子宮がん、 膀胱がん、骨肉腫、軟部肉腫等の様々な肺転移が対象となります。単発性の肺転移か、多発性であっても一葉に限局していれば、外科的切除の対象になりますが、その他の臓器に転移がない、あるいはコントロールされていることが前提となります。
縦隔腫瘍 胸部レントゲン異常影、胸部違和感 胸部レントゲン、胸部CT、胸部MRI 前縦隔に発生する胸腺腫、胸腺がんが主な対象です。胸骨正中切開による腫瘍摘出(症例に応じて拡大胸腺摘出術)を行います。中縦隔に発生する気管支原性嚢胞や心膜嚢胞も外科的切除の適応となりますし、後縦隔に発生する神経鞘腫などの神経原性腫瘍は胸腔鏡下摘出術の良い適応となります。
自然気胸 呼吸苦、胸痛 胸部レントゲン、胸部CT 自然気胸は、肺の表面にある風船の様なブラが破けることにより、空気が胸腔内に漏れ出て、肺が虚脱してしまう病気です。軽症の場合、安静にて保存的に経過観察をすることもあります。胸腔ドレナージにて内科的に治療した場合の再発率は、50~60%と言われています。胸腔鏡下にブラを切除することで、100%再発しない訳ではありませんが、再発率を5~6%程に下げることが出来ます。

 

スタッフ紹介

呼吸器外科部長

丸山 理一郎

専門分野 呼吸器外科
専門医・認定・
所属学会等
・Fellow of American College of
 Surgeons (FACS)
・日本外科学会
 認定医、専門医、指導医
・日本胸部外科学会認定医、指導医
・日本呼吸器外科学会指導医
・呼吸器外科専門医
・気管支鏡専門医、指導医
・日本臨床腫瘍学会がん薬物療法
 専門医、指導医
・日本がん治療認定医機構暫定教育医
・がん治療認定医
・日本呼吸器学会専門医
・肺がんCT検診認定医
・共用試験医学系OSCE評価者
 (胸部診察)
・医師臨床研修指導医
・身体障害者福祉法指定医
 (呼吸器機能障害)
・日本内視鏡外科学会評議員
・日本呼吸器外科学会評議員
・国際肺癌学会(IASLC)
・米国外科学会(ACS)

 

実績のご紹介

手術症例数(2017.1.1~2017.12.31)
手術内容 詳細内容 件数
原発性肺癌 28 肺葉切除術
(胸腔鏡補助下)
24(22)
二葉切除術
(胸腔鏡補助下)
1(1)
肺全摘術 2
その他 1
転移性肺腫瘍 1 胸腔鏡補助下肺楔状
切除術
1
悪性胸膜中皮腫 1 胸腔鏡下胸膜生検術 1
肺良性腫瘍 1 胸腔鏡補助下肺葉切除術 1
縦隔腫瘍 3 腫瘍摘出術 3
自然気胸 8 胸腔鏡下ブラ切除術 8
膿胸 4 胸郭形成術 3
開窓術 1
炎症性肺疾患 1 胸腔鏡下肺楔状切除術 1
その他 2 気管切開術 2